主役と脇役

先日、大地堂さん主催の「麦畑でピクニック」に参加してきました。


広い空の下、見渡す限りの麦畑。
気持ちよかったです~♪



そして、ありがたいことにピクニックでお出しするおやつを今年も担当させて頂きました。

古代小麦を使ったおやつを作るわけなんですけど、正直なところ、昨年作らせていただいた際に3種類を作って自分の中で出しきった感があったので、お話しを頂いたとき嬉しさのあまり、やりたいです!とお返事したものの、昨年以上のおやつを作れるのか、大丈夫なのか?私…
あとから心配がやって来ました。


今年はチーズケーキを3種類。

一日目はキャラメルチーズケーキ。
チーズケーキの生地と飾りに使うチュイールに古代小麦を使いました。


↑こちらだけ、写真あります。
わっか農園かなえさん、ありがとう!


2日目はレモンのチーズタルト
タルト生地に古代小麦を使い、レモンのジュレとイタメレで仕上げました。

3日目はチーズムース
寒天でムースを仕上げ、古代小麦のグラノーラとレモンのジュレをのせました。

そして、古代小麦と農林61号の食べ比べをしてもらえるよう焼き菓子も用意しました。


一日目のキャラメルチーズケーキは自分が参加していたので、私がその場で仕上げ、
2日目のレモンのチーズタルトは朝一に仕上げてピクニック会場まで届けました。
3日目のチーズムースはゲストの方にグラノーラとレモンジュレを上から乗せて仕上げてもらう参加型にしました。

一面に広がる麦畑で食べてもらうおやつ、楽しみながら食べてもらいたい。
これを今回のテーマにしながら作ったわけなんですけど、作りながら何度も悩みました。

というのも、いわゆる洋菓子(バターや卵、チーズ等を使用するもの)は、古代小麦の風味がその他のものに負けてしまうからです。

何度も何度も
「これって別に古代小麦じゃなくてもいいんじゃないか…」
「昨年作ったロールケーキの方が古代小麦の風味が出てた…」
という思いがやってくる。

どうしても古代小麦を主役に持っていきたいという想いがあったので、何度も葛藤をしたんですけど、ある時、

やっぱり小麦の風味を味わうのはクッキーやビスケットやパンなど、噛み締める方が向いている。風味を味わうのは、そちらに任せよう。
じゃあ、作ろうとしている3種類のケーキについて、古代小麦じゃなくてもいいのか?というとそうではなくて、古代小麦ならではの脇役になってもらおう。
という所に気持ちが着地しました。



おやつを作っていていつも思うのは、
キセツノネイロで使用している素材はどれも本当に個性豊かで素晴らしいものばかり。
主役になる時もあるし、そうではない時も他の個性ある素材たちとうまい具合にバランスを取り影で支えてくれている。
表だって感じなくても、しっかりと奥深さを出してくれている。
素材が一つ欠けたり、違うものと入れ替わったりするだけで、たちまちバランスが狂う事だってある。


だから今回も
個性ある古代小麦だから、その他の個性ある素材との調和が上手くいくんだろうと思えたのです。


主役がすばらしくて
脇役が残念とかではなく
すべてが調和して、それぞれが引き立つためにそれぞれが自分の個性を生かしている。


これは、人にもいえる事だなと思いました。

個性をなくし、誰かにとって扱いやすい自分でいることは
大きな視野で見ると、ある意味必要な時も
あるとは思うんだけど
それぞれが自分という個性をフルに発揮して、その中で他の人たちと調和を図る。
我慢したり、人に合わせたりすることなく
その人のありのままで、周りと調和する。
そんな社会がすばらしいなと思ったんです。

そして、最終的には
主役でも脇役でもどっちでも
個性を生かせていればどっちでもいいんじゃないかな?
と思いました。


今回もまたおやつから学びました。
すばらしい機会をありがとうございました!